内壁の塗装は、単にペンキを塗るだけではきれいに仕上がりません。実は、ペンキを塗る前に行う「下地処理」が、塗装の仕上がりや耐久性を左右する大切な工程です。
下地処理には、パテ処理や表面の汚れ除去、場合によっては下塗り剤の使用などが含まれます。
本記事では、塗装の種類や壁の材質ごとに異なる下地処理の方法について詳しく解説します。下地処理の基本を理解し、失敗しない内壁塗装に備えましょう。
ペンキを塗る前に下地処理は重要
ペンキを塗る前の下地処理は、塗装の仕上がりや耐久性に大きな影響を与えます。適切に下地処理を行うことで、ペンキの密着度が高まり、長期間美しい仕上がりを維持できるため、必須の工程です。
また、下地処理の方法は、塗装する壁の材質や既存の塗装の有無によって異なります。
下地処理はパテ処理ともいう
下地処理の第一段階は「パテ処理」です。パテとは、壁の凹凸やクラック(ひび割れ)を補修し、平滑な面に整えるための素材で、この作業により塗装面が均一になり、ペンキがしっかりと密着します。
特に、壁の小さな傷や凹みを埋めて平らにすることは、見た目だけでなく、耐久性を向上させるためにも必要不可欠です。
下地処理は塗る種類によって異なる
下地処理は、塗るペンキの種類や使用目的に応じて方法が異なります。例えば、耐水性が求められる浴室の壁や、吸湿性が高い場所の壁など、環境によって適した下地処理を行うことが重要です。
特定の塗料を使用する場合には、メーカーが推奨する下地処理方法に従うこともポイントです。
すでにペンキが塗られている所に塗る場合
すでにペンキが塗られている場所に新たに塗装を施す場合、古い塗膜の状態に応じて下地処理が異なります。古い塗膜が剥がれている場合は、その部分をしっかりと削り取り、表面を平らに整える必要があります。
また、表面が滑らかすぎる場合にはサンドペーパーなどで少しザラつきを出し、新しい塗料が密着しやすい状態にすることが重要です。
壁紙(クロス)に塗る場合
壁紙の上からペンキを塗る場合、まずは壁紙の種類や状態を確認する必要があります。壁紙がしっかりと貼られている場合には、表面を軽く掃除してから塗料を塗ることが可能です。
ただし、汚れやシミがあると塗料の発色に影響を及ぼすため、掃除は入念に行います。さらに、壁紙の種類に応じて下塗り材を使用することも有効です。
化粧(プリント)に塗る場合
プリント壁紙や化粧シートに塗装する場合、特別な下地処理が求められます。プリント壁紙は一般的に表面がつるつるしており、塗料が密着しにくいため、サンドペーパーで表面を少し削り、塗料がのりやすい状態にします。
また、プライマーと呼ばれる接着剤を使用することも効果的です。
コンクリートに塗る場合
コンクリート壁にペンキを塗る場合は、特に水分対策が重要です。コンクリートは水分を含みやすいため、完全に乾燥させてから塗装を行う必要があります。
また、吸水性が高いため、下塗りにシーラーを使用し、塗料の吸い込みを防止することで、発色と耐久性を向上させます。
砂壁に塗る場合
砂壁は表面が粗いため、そのままでは塗料が十分に密着しません。砂壁の表面を固定するためのシーラーを下塗りとして塗布し、壁を固めてから塗装を行うことで、仕上がりの美しさを保つことが可能です。シーラーを塗ることで、砂壁特有の粉落ちも防げます。
繊維壁に塗る場合
繊維壁は、柔らかく吸湿性が高い素材のため、直接塗装すると塗料が吸い込まれてムラが生じることがあります。そのため、下地にはシーラーを塗布して表面を整え、ペンキが均一にのるように準備を行います。
また、繊維壁の吸湿性に合わせた塗料選びも重要です。
まとめ
内壁塗装を成功させるためには、適切な下地処理が欠かせません。下地処理は、塗装の仕上がりだけでなく、耐久性にも大きな影響を与えるため、塗る場所や壁の材質に合わせた処理をしっかりと行うことが大切です。
特に、パテ処理や下塗り剤の使用、素材に応じた表面調整が効果を発揮します。下地処理をしっかりと行うことで、ペンキの発色や密着が向上し、長く美しい内壁を保つことができるでしょう。